当店のご近所にお住まいのT.S様のご来店。
お持ちの羽毛ふとんの診断をしてもらいたいとのご希望で、羽毛ふとんをお持込頂きました。
長年、押し入れに収納されてた羽毛布団で、最近クリーニング店に持って行ったら「この汚れは取れませんよ。」と言われたそうです。
汚れはすぐに洗えば取れますが、長年の汚れはクリーニングの際に使用する溶剤(洗剤)がきつくなると、生地の方が耐久できなくなり、劣化する恐れがあります。
仕方ない事です。
羽毛布団の丸洗いと、当店が行う「羽毛布団のリフォーム」は、全く手法、目的が違います。
丸洗いはその名の通りお布団を丸ごと洗います。「側生地」のお洗濯と思ってください。
当店の「羽毛布団のリフォーム」は、側生地を破って中の羽毛を取り出し、羽毛の除塵・羽毛のみの洗浄します。
側生地は新調して頂きます。「羽毛」を直に洗浄する事をご説明させて頂き、早速に羽毛の診断を致しました。
まず、羽毛布団の側生地の縫製は、マチ高さが無い薄型キルト縫製、少し薄い目の羽毛布団で、えり元・足元は汗や皮脂などで少し黄ばんでいる状態です。
この汚れは、クリーニングで「丸洗い」をされてもキレイにはなりません。
また、側生地から羽毛の吹き出しもあり、側生地自体の消耗が目立って見えました。
次に充填物の羽毛については、サイドに付いている品質表示ラベルをチェックすると、側生地の組成は、綿100%、充填物の羽毛は、ダウン90%・スモールフェザー10%との事。
90%の羽毛は、状態が良ければリフォームは充分にお奨めします。
実際に羽毛を取り出してみました。
取り出した羽毛は、目視でも明らかに表示ラベルの90%ではなく、それ以下のダウン率の羽毛です。
確かなダウン率は今となっては言えませんが、とてもスモールフェザーが多く目立ち、明らかにダウン率は70%以下であると思われます。
また、羽毛の状態も、フェザーとダウンが絡まった毛玉が目立ち、ファイバーも多く、これは相当な傷み具合でほぼ「プレミアムダウンウォッシュ」加工をした後はほとんどダウンが残らないと診断し、残念ですが
「リフォーム不可」との結果になりました。
「プレミアム ダウンウォッシュ加工」では、壊れて傷んだダウン(羽毛)、更にきょう雑物等は排除していきます。
ダウン率も80%以上の羽毛で、10年程度ご使用の羽毛布団なら、「プレミアム ダウンウォッシュ洗浄加工」をされれば、またお使い頂ける羽毛ふとんに仕上げられますが、この様に状態が悪すぎる場合はほとんど期待はできません。
元々の
羽毛の品質が上質であれば、少々リフォーム費用が高くなっても価値がありますが、そうでない場合もあります。
「ご購入された時の価格」と、「リフォームにかかる価格」を比べて頂き、買い替えの方が良い場合もあります。
それに付きまして、リフォームの価格のお見積もりはいつでもお問い合わせ頂きましたら、致します。「リフォームの価格の見積もり依頼」を、お待ちしております。